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こち亀 連載終了の与える影響 [徒然]

「こち亀」とは、週刊少年ジャンプの長寿漫画
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のことですが、
この連載終了という驚きの発表がなされました。



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発表は9月3日、作品世界を題材にした
「こち亀絵巻」を東京都千代田区の神田明神に
奉納した後の会見でした。

原作者の秋本治氏は最後に話すと
決めていたということです。

何も知らない記者のみなさんは

「300巻への意欲」 「最終回の構想」


などを聞いていました。

長期連載漫画の最終回にまつわる逸話としては、
連載48周年の「ゴルゴ13」が有名ですね。

原作者のさいとう・たかを氏が、
コマ割りもラストシーンも決めている
という話を引き合いに質問がなされました。


秋本氏は

「さいとう先生のは常とう句というか…僕もそういう風に言えたらいいんだけど。こち亀はギャグ漫画。最後のギャグなんて考えられない」


とその場では答えました。

「その辺りはまた後で」


と小さな声で付け加えていました。

いったん質問が打ち切られ、
直後に連載終了が発表されました。

今にして思えば、そこに秋本氏の
漫画家だからこその、2つの強い思いが
あったようですね。

まず1つは、読者に対してです。

秋本氏はどうしても、自身の口から
連載終了を語りたかったようです。

読者が不意打ちのように、終了を知らされる事態だけは
避けたかったということです。

近年はツイッターなどSNSの普及もあり、
書籍でニュースを発表するのが難しい雑誌は
流通の都合上、発売日の数日前に小売店に
届くからです。

発売前の誌面を見た人からSNSで
拡散してしまうケースが「NARUTO」の
最終回でもありました。

40年愛してくれた読者に、
自身の思いをきちんと
伝えたかったということですね。



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しかし、それだけなら会見冒頭に発表すればいいのですが、
もう1つの理由として、絵巻の奉納が、
連載終了以上に大切だったということがあります。

絵巻は一年がかりの大仕事で、素材の和紙には、
漫画で慣れた画材も、培った技法も使えません。

試行錯誤の末にガラスペンで描き、全長8メートルの
和紙に描かれた17枚の絵は、戦後から現代の
東京を描いたもので、両津らこち亀キャラが山車を
引きながら神田明神にやってきます。
子供の遊び、流行や歴史的出来事も描かれています。

秋本氏は絵巻の奉納を

「漫画界にとって嬉しいこと」


と喜び、

「こち亀の連載終了より、奉納の方が大事なんです」


とも言いました。

こち亀が描かれた40年で、漫画の評価は
大きく変わりました。

かつては子供向けの一段低い文化とみる人も
多かったのですが、それが絵巻となり、「江戸の総鎮守」
神田明神に

「その時代の生活、風俗を知る貴重な資料になる」


と感謝され、奉納されたのです。

神田明神には江戸時代末期に寄進された
絵巻があるそうですが、それ以降の
本格的な絵巻はないということです。

秋本氏は絵巻の奉納会見をきちんと
済ませた後でなければ、こち亀の完結を
語れなかったのですね。

連載終了を明らかにしたあと、記者らの質問に触れ

「いつ終わるのか、どう終わるのかと皆さんが気にしてくれている中で、心苦しい思いもあった」



と漏らしました。

恐らく記者らの驚きや落胆といったファン心理も
気遣ってくれたのだと思います。
涙こそ流されませんでしたが、
声が震えているように聞こえたそうです。

連載終了に向けて極秘に動いてきた集英社スタッフの一人は

「会見での秋本氏を見て、泣きそうになった」


と話していました。

悩み続けてきた秋本氏を見てきたのでしょうね。

27年前には、今や伝説となった“偽最終回”に
騙されました。

両津が見開きで読者に別れを告げた次のページで、
舞台も登場人物も同じ「新こち亀」が始まりました。

あの時も頭が真っ白になったのですが、
翌週には新こち亀すらなかったこととなり、
いつものこち亀が載っていました。

今回は本当だと思うが、
何らかのサプライズがあるかもしれない
と期待をしています。



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