昨年、大ヒットした映画『シン・ゴジラ』でゴジラのモーションキャプチャーを担当し、
話題を呼んだ野村萬斎ですが、映画『花戦さ』で演じたのが、戦国時代に実在した
“いけばな“の名手池坊専好です。狂言師はもとより、俳優として注目を集め続ける野村萬斎の
役作りの秘密はどこにあるのでしょうか。
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野村萬斎は、物語の主要素材である、花への思いについて、
「母方の祖母が、池坊の花をやっていた」
と話しています。
そのようなこともあって、はさみの持ち方、切り方、枝のたわめ方などに
苦労することはなかったそうです。
花といえば、室町時代に能狂言を完成させたといわれる世阿弥の著書『風姿花伝』は、
観客に感動を与える芸の力を「花」として表現しています。能という芸能の奥義である
「まことの花」は、心に秘めての努力、精進、工夫し続けることから生まれるもので、
一時の美しさや華やぎではないと説いています。
この花をさらに人の生き方に重ねて、野村萬斎は、
「花もさまざまで、美しい花もあれば、毒やとげを持っている花もある。そんな花でも、花は花であって、無心に咲いている花に優劣はないと思うんです。今を盛りと華麗に咲き誇る満開の桜も、苔むした地に隠れるように咲く一輪の野の花も、朝もやの中に咲く幽玄の花も、盛りを過ぎて古木に咲く花もそれぞれに美しいと、私は思っています」
と語っています。
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また、
『風姿花伝』の中で語っている花は、舞台で咲かせる花のことだけではなく、
「人生のステージでそれぞれに咲く花のことでもあるのでは」
と、世阿弥を読み解きながら、
「人間という花にも、美しいものもあれば、毒を持つものもある。でも、それぞれが人間として精一杯生きていたら、それはそれで良いのではないかと思っています」
「生きるということは、自分という花をどう咲かせ続けるかにほかならないと思うのです。花に水を与え、肥料を与え、日光に当て、ときには風雨にさらす。そして、花は育ち、咲き、やがて枯れていく。人生も同じですよ、きっと。だから、この先も自分の年齢を否定することなく、その時期や年相応に“時分”の花を咲かせていきたいと思っています」
と続けています。
選ぶ言葉、舞台で鍛えた美声、映画の中の“専好さん”そのままの笑顔に、説得力がありますね。
野村満彩が、映画「花戦さ」で、どのように花を咲かせるのでしょうか。
https://youtu.be/HVZQXbyFCLQ
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